車のエンジンは精密機器を高温、高圧な状態で動作させるため、定期的なメンテナンスが必要とされます。
その中でもエンジンオイルの交換はエンジンの性能と寿命を保つために不可欠です。
この記事ではオイル交換の必要性やその意味について詳しく解説していきます。
1、 潤滑
エンジン内部の可動部品は高速で動くため摩擦が発生します。
エンジンオイルはこれらの部品の表面や間に薄い油膜を形成し、摩擦を軽減します。
これにより部品の摩耗を防ぎエンジンの故障や不調を防ぎます。
オイルによる潤滑が不十分だと部品同士が直接接触し、急激な摩耗や故障を引き起こします。
2、 冷却
エンジン内部ではガソリンを燃焼させるので非常に高温となります。
エンジンオイルはこれらの高温箇所から熱を吸収し、エンジン全体に熱を拡散させることで冷却を助けます。
冷却が不十分だとエンジンの過熱により性能低下や最悪の場合エンジンブロー（エンジンの焼け付き）を引き起こす可能性があります。
3、清浄
エンジン内部では燃焼過程でカーボンやスラッジ（汚れ）が発生します。
エンジンオイルはこれらの汚れを吸収し、エンジン内部を清潔に保つ役割を果たします。
汚れが溜まりすぎるとオイル通路が詰まり、潤滑や冷却が不十分になる可能性があります。
4、防錆・防腐
エンジン内部の金属部品は、湿気や酸性物質によって錆びたり腐食したりする可能性があります。
エンジンオイルはこれらの部品を保護し、錆や腐食を防ぎます。
防錆・防腐機能が低下すると金属部品の劣化が早まり、エンジンの故障リスクが高まります。
エンジンオイルは時間とともに劣化し、性能が低下していきます。
以下に定期的なオイル交換が必要な具体的な理由を詳しく説明します。
1、オイルの劣化
エンジンオイルは時間とともに劣化します。
高温、高圧、酸素、燃料などにさらされることでオイルの化学構造が変化し、本来の性能が発揮できなくなっていきます。
劣化したオイルは潤滑効果や冷却効果が低下し、エンジン内部に悪影響を及ぼします。
特に、オイルの酸化や熱分解が進むとオイルの粘度が変化し、うまく潤滑の役目を果たせなくなります。
2、汚れの蓄積
エンジンオイルに汚れが吸着することでエンジン内部は清潔に保ちますが、その分オイル自体が汚れていきます。
汚れたオイルは潤滑効果が低下し、摩擦が増加してエンジンの部品が摩耗しやすくなります。
特にスラッジが蓄積するとオイルフィルターが詰まりやすくなり、オイルの循環が悪化してしまいます。
3、オイルの減少
エンジンオイルは使用中に少しずつ減っていきます。
オイルが減少すると潤滑不足によるエンジンの過熱や摩耗が発生します。
定期的にオイルレベルを確認し、必要に応じて補充することが重要です。
オイルの減少を放置すると、最悪の場合エンジンが焼き付く（エンジン内部が固着する）ことがあります。
1、エンジンの保護
奇麗なオイルはエンジン内部の部品を適切に潤滑し、摩耗や破損を防ぎます。
これによりエンジンに余計な負担をかけずに、寿命を延ばすことができます。
特にエンジンの高温や高圧がかかる部分（ピストンリングやシリンダーヘッドなど）においては、綺麗なオイルが重要な役割を果たします。
2、燃費の向上
劣化したオイルは潤滑効果が低下し、エンジンが余分なエネルギーを消費する原因となります。
新しいオイルはエンジンの燃焼効率を最大限に発揮させ、燃費を向上させます。
3、エンジンのパフォーマンス維持
定期的なオイル交換により、エンジンのパフォーマンスを最適な状態に保つことができ、車の走行性能やレスポンスが向上します。
特に、ターボチャージャー付きエンジンやハイパワーエンジンでは、オイルの状態がパフォーマンスに大きな影響を与えます。
4、コスト削減
定期的なオイル交換はその都度コストがかかってしまいますが、エンジンの故障や部品の早期摩耗を防ぐことで将来的に大きな修理費用を減らせる可能性があります。
オイル交換を怠ると、エンジンオーバーホールや交換といった高額な修理が必要になることもあります。
オイル交換はエンジンの性能を最適化し、寿命を延ばすために不可欠なメンテナンス作業です。
定期的なオイル交換を怠ると、エンジンの劣化や故障を引き起こすリスクが高まり、結果的に高額な修理費用がかかる可能性があります。
適切な頻度でオイル交換を行い、車を長く快適に乗っていけるようにしましょう。