愛車を美しく保つために欠かせないメンテナンスの一つが車のコーティングです。
車のボディは紫外線や雨、汚れなどに日々さらされているため放置していると見た目が悪くなるだけでなく、塗装の劣化やサビの原因にもなります。
そんなリスクから車を守り美しい状態を長く維持するために、コーティングは非常に効果的な方法です。
この記事では車のコーティングの種類やメリット、選び方、施工方法、そして注意点について詳しく解説します。
コーティングとは車のボディに保護膜を形成することで塗装面を外部からのダメージ（汚れ、紫外線、酸性雨など）から守り、
美しい艶と光沢を維持するための技術です。
コーティングの効果
• 外部環境からのダメージ保護
車は常に紫外線、酸性雨、砂埃、鳥のフン、虫の死骸などにさらされています。
これらが少しづつ塗装面にダメージを与えていくので、コーティングにより守ります。
• 洗車の効率アップ
コーティングを施すと汚れが付きにくくなり、洗車時に軽い水洗いだけで簡単に汚れを落とすことができます。
また雨が降ると汚れが一緒に流れることも多く、常に綺麗な状態を保ちやすくなります。
• 車の価値を維持
ボディの美しさは車の価値にも直結します。
特に中古車として売却する際、塗装が劣化していない綺麗な車は高額査定がつくことが多いため、コーティングは車の価値を維持する役割も果たします。
車のコーティングにはいくつかの種類がありますが、それぞれの特徴や違いを深掘りして説明します。
(1) ガラス系コーティング
ガラスコーティングは、現在最も人気の高いコーティングの一つです。
コーティング剤の主成分がガラス由来の成分（シリカやシロキサン）でできており、非常に硬く耐久性が高いのが特徴です。
特徴
o 耐久性が高く、1〜3年程度効果が持続します。
o 撥水性が非常に高く、水垢や汚れが付きにくい。
o 紫外線や酸性雨にも強く、塗装をしっかり保護。
• 撥水タイプ vs 親水タイプ
ガラス系コーティングには撥水タイプと親水タイプがあります。
人により好みがあるので、好きな方を選びましょう。
o 撥水タイプ：水滴を弾く性質があり、雨が転がり落ちる様子が美しい。
o 親水タイプ：水が膜状になり、汚れが流れやすい。水滴跡が残りにくいのが特徴。
(2) セラミックコーティング
セラミックコーティングは、近年注目されている新しいコーティング技術です。
セラミック成分を主成分としており、ガラス系よりもさらに硬く、高い耐久性を誇ります。
特徴
o 耐久性が非常に高く、5-7年程度持続するものも。
o とても硬く傷が付きにくい（9Hと呼ばれる高硬度）。
o 汚れが付きにくく、酸化や腐食にも非常に強い。
• 注意点
施工が難しく材料も一般では手に入らないので、プロショップに依頼する必要があります。
また施工費用は安くとも15万円以上、高級なものだと30万円程もします。
(3) ポリマーコーティング
ポリマーコーティングは合成樹脂を主成分とするコーティング剤で、比較的手軽に施工できる点が魅力です。
DIYでも扱いやすく、コストパフォーマンスに優れています。
特徴
o 光沢感が強く、塗装にツヤを与える。
o 施工費用が安く、数千円〜数万円で可能。
o 耐久性は数ヶ月〜半年程度と短い。
初めてコーティングを試してみたい方や、あまりお金をかけたくないが車を綺麗に保ちたい方にお勧めです。
(4) ワックス
ワックスは、昔から使われている車の簡易コーティングです。
天然または合成のロウが主成分で、光沢感と防汚効果が特徴です。
特徴
o 艶が非常に深い仕上がりになる。
o 手軽に使える製品が多い。
o 耐久性が低い（数週間～1か月程度）。
お手軽に出来るので普段の洗車時などにお勧めです。
プロショップによる施工もDIYも基本的な流れは同じですが、プロショップに依頼すると専用の設備や技術でより高い仕上がりになります。
施工の流れ
1. 洗車と下地処理
ボディの汚れや油分、鉄粉を完全に取り除きます。シャンプーだけでなく鉄粉除去剤や粘土クリーナーを使うと効果的です。
2. 脱脂作業
下地の塗装面に油膜やワックスが残っているとコーティングの密着性が低下します。
専用の脱脂剤を使って表面を完全にクリーンな状態にします。
3. コーティング剤の塗布
コーティング剤を専用のアプリケーターで均一に塗布します。
ムラが出ないよう、1か所ずつ丁寧に作業します。
4. 乾燥と硬化
コーティング剤が硬化するまで数時間〜数日かかる場合があります。
この間は水や埃に触れないよう注意が必要です。室内での保管が必須となります。
5. 仕上げ
乾燥後、表面を確認して必要に応じて追加の磨き作業を行います。
コーティングの効果を長く維持するためには、日々のメンテナンスが欠かせません。
以下のポイントを意識していきましょう。
(1) 定期的な洗車
コーティング車両には通常の洗車用洗剤ではなく中性洗剤を使用しましょう。
高圧洗浄機を使うと効果的に汚れを落とせますが、ノズルをボディに近づけすぎないよう注意してください。
水圧でコーティングが剝がれてしまう可能性があります。
(2) 専用メンテナンス剤の使用
コーティング専用のメンテナンス剤を定期的に使用することで、撥水効果や艶を維持、復活させることができます。
洗車だけではコーティング効果がどんどん落ちてきてしまいます。
(3) 鳥のフンや虫汚れの早期除去
放置すると表面が酸化して塗装を傷める原因になります。
すぐに水で流し、柔らかい布で拭き取るようにしましょう。
コーティングは車を美しく保つだけでなく、長期間にわたって塗装を保護し、売却時の査定を落とさないようにするために役立ちます。
予算や空き時間などあなたのライフスタイルに合ったコーティングを選びましょう。
• 短期的な手軽さ重視：ポリマーコーティングやワックス
• 長期間の美しさを維持：ガラスコーティングやセラミックコーティング
またコーティングを施した後のメンテナンスも忘れずに行い、愛車の輝きを長く楽しんでください。
次回はDIY施工の具体的な方法やおすすめ商品についてもご紹介しますので、是非ご覧ください。