今回は、運転者にとって加入が必須の「自賠責保険」についてお話しします。
自賠責保険は車やバイクを所有する方なら必ず耳にしたことがある言葉ですが、具体的な内容や役割について理解していますか？
この記事では、自賠責保険の基本をわかりやすく解説します。
自賠責保険（正式名称：自動車損害賠償責任保険）は、日本で車やバイクを運転する際に法律で加入が義務付けられている保険です。
この保険の主な目的は交通事故によって他人を死傷させてしまった場合に、被害者に対する最低限の賠償を確実に行うことです。
自賠責保険の大きな特徴は、対人賠償に特化している点です。
事故で相手を傷つけてしまった場合や最悪のケースで命を奪ってしまった場合に、被害者やその家族に対して補償が行われます。
ただし、自賠責保険がカバーするのはあくまで「対人」のみとなり、物損事故（車両や建物の損害など）は補償の対象外です。
自賠責保険で補償される金額には上限が設定されています。
具体的には、以下の通りです：
死亡事故の場合：最大3,000万円
後遺障害の場合：最大4,000万円（障害の程度によって変動）
傷害の場合：最大120万円
これらの金額を超える損害賠償が発生した場合は自賠責保険ではカバーできないため、運転者が自己負担するか、別途加入する「任意保険」で対応する必要があります。
自賠責保険は、新車購入時や車検時に必ず加入します。
加入期間は通常1年から3年で、車検のタイミングで契約を更新するのが一般的です。
また、保険料は車両の種類や加入期間によって異なりますが、全国一律の料金体系となっています。
例えば、一般的な乗用車の保険料は1年間で約1万円前後。
バイクや軽自動車の場合は、さらに低い料金設定です。
自賠責保険は、被害者への最低限の補償を提供するための保険です。
しかし前述の通り補償額には上限があり、物損事故はカバーされません。
そのため、多くの運転者は「任意保険」にも加入しています。
任意保険は物損事故や対人賠償の上限を超える部分を補償してくれるため、安心して運転できる環境を整えることができます。
自賠責保険は、日本の交通社会を支える重要な制度です。
運転者として自賠責保険の役割や限界を理解し、任意保険と組み合わせて万全の備えをしておくことが大切です。
これからも安全運転を心がけ、安心して車に乗れるようにしましょう。