車のタイヤは路面との唯一の接点として非常に重要な役割を果たします。
しかしタイヤは前後や左右で異なる負荷を受けるため、偏ったすり減り方をしていきます。
特に前輪駆動車の場合、前輪が加速やブレーキ、ステアリングのすべての役割を担うため前輪の摩耗が早く進む傾向にあります。
一方後輪駆動車や四輪駆動車では前後の負荷にFF駆動車ほどの差はありませんが、それでも偏った摩耗の仕方をしてしまいます。
この偏った摩耗を防ぐために定期的なタイヤローテーションが必要です。
タイヤローテーションとは一定の間隔でタイヤの位置を前後左右に変える作業のことです。
これによりタイヤの摩耗をある程度均等にし、タイヤの寿命を延ばすだけでなく車の走行性能や安全性を維持することができます。
タイヤローテーションの実施頻度は一般的に7,000〜8,000キロごとが推奨されていますが、車のマニュアルやタイヤメーカーの推奨に従うことが重要です。
タイヤの摩耗を均等にすることは以下のメリットをもたらします。
1. タイヤの寿命延長
均等な摩耗をすることによりタイヤ全体が長持ちし、交換の頻度を減らすことができます。
2. コストの節約
タイヤの寿命が延びることでタイヤの交換費用を節約できます。
また均等に摩耗させることにより特定のタイヤが劣化するのを防ぐことで、予期せぬ出費を避けられます。
3. 安全性の向上
均等な摩耗はタイヤのグリップ力を均一に保つことにつながり、急ブレーキや急カーブ時の安定性を向上させます。
4. 快適な走行
均等に摩耗することにより走行中の振動や騒音の発生を減少させ快適なドライブができます。
• ジャッキ
• ジャッキスタンド
• ホイールレンチ
• トルクレンチ(推奨)
• 手袋
トルクレンチはなくても大丈夫です。
基本的に車載の工具のみで作業をすることができます。
1. 車を安全な場所に停車させる
平らな地面に車を停め、パーキングブレーキをかけます。車が動かないように車の前後にチョークブロックを使用するとさらに安全です。
2. ジャッキで車を持ち上げる
車のマニュアルに従い、適切なジャッキポイントを確認して車を持ち上げます。持ち上げた後、ジャッキスタンドを使用して車を支えます。
3. タイヤの取り外し
ホイールレンチを使用してタイヤのナットを緩めます。すべてのナットを取り外した後、タイヤを取り外します。
4. タイヤの位置を変更する
タイヤローテーションは駆動方式によりやり方が異なります。
前輪駆動の場合:前輪を同じ側の後輪に移動し、後輪をクロスさせて前輪に移動します。
四輪駆動、後輪駆動の場合:前輪をクロスさせて後輪に移動し、後輪を同じ側の前輪に移動します。
5. タイヤの取り付け
新しい位置にタイヤを取り付け、ナットを手で仮締めします。
すべてのタイヤが取り付けられたらジャッキを使用して車をゆっくりと降ろし、ホイールレンチでナットをしっかりと締めます。
トルクレンチを使用してメーカー指定のトルクでナットを締めるとさらに安心です。
• 偏摩耗:タイヤの摩耗状態を確認し、正常に摩耗しているかチェックします。
異常な摩耗や偏摩耗が見られる場合は、アライメントやサスペンション等、足回りに何かしらの問題があるかもしれません。
• 定期的なローテーション:タイヤローテーションは一般的に7,000〜8,000キロごとに行うことが推奨されます。
車のマニュアルに従って適切な間隔でローテーションを行いましょう。
• 適切なトルクで締める:ナットを適切なトルクで締めることが重要です。
締めが緩いと走行中にタイヤが外れたり、過剰に締めすぎるとナットやホイールが損傷する可能性があります。
タイヤローテーションはタイヤの寿命を延ばし、車の安全性と性能を維持するための重要なメンテナンスです。
正しい手順で定期的にローテーションを行うことによりタイヤの摩耗を均等にし、走行中の安定性と快適性を向上させることができます。
タイヤの寿命を最大限に伸ばし安全なドライブを楽しむために、ぜひタイヤローテーションを定期的に実施してください。